当協会 飛騨支部の活動報告です。
以前このホームページでも紹介しました
  飛騨支部 『石を学び 石にふれる』 ワークショップ
が、予定通り 令和7 年10 月26 日 に開催されましたので、報告いたします。

今回は国選定保存技術保持者(人間国宝)の 佐々木 信平 氏をお招きして、石葺き建築の施工事例の紹介などをしていただき、
石材を建築に取り入れていく手法を学びました。
また一般の方にも参加していただき、石のコースター作りを体験してもらい、素材に触れながら実践を通じて建築を学び、
建築に興味を持っていただく取り組みを行いました。
本ワークショップに参加いただいた方は56 名です。
本ワークショップは、佐々木氏が実際に施工された石葺き建物である「(有)砂原石材ギャラリー」を会場にして、
佐々木氏より、講演や屋根葺きの実演をしていただきました。

ギャラリー内での講演の様子
  R071026_Ishibuki29R071026_Ishibuki30R071026_Ishibuki02
  砂原石材ギャラリー内部   講演者の紹介     佐々木氏による講演
 講演の内容
  石葺きは、明治時代に西洋から日本に伝わり、日本の建物に合せた葺き方に進歩してきた。
  宮城県が天然スレートの産地であり、瓦より安く材料が手に入ったことにより、宮城県内に今でも多くの建物残っている。
  (以降、「天然スレート」を、たんに「スレート」と表記します)
  日本では、入母屋の屋根にも対応した石葺き技術が発展し、現在に至っている。
  寒冷地である東北、北海道に施工事例が多く、神社・仏閣・郵便局・住宅等と幅広く使用されてきているが、
  今はスレートの入手が難しく、おもに歴史的建造物の補修を多く手掛けている。
  現在は、石葺き職人が全国で14人程度しかおらず、伝統の継承に努力している。
ギャラリーを外から見学
  R071026_Ishibuki05R071026_Ishibuki31R071026_Ishibuki06
        砂原石材ギャラリー外観          石葺き建物の説明
石葺き屋根の実演
  R071026_Ishibuki32R071026_Ishibuki07R071026_Ishibuki09
     墨打ち     ドイツ製の左右両使いカッター  スレートの墨打ち
  R071026_Ishibuki11R071026_Ishibuki12R071026_Ishibuki13
    葺き始め施工       2段目の葺き始め     施工完成
佐々木氏の説明
  スレートを止める釘は、鉄くぎからステンレス釘に変わってきた。
  釘でなくビスで止めると、地震や凍結によるスレートの動きを抑制してしまいスレートが割れるので、使用しない。
  スレートの角は、施工時に欠けやすいため、あらかじめ丸くしておく。
  一文字葺きのように、材料に角がある葺き方は、使えない材料ができるため高価になる。
参加者にも葺いてもらう
  R071026_Ishibuki18R071026_Ishibuki14R071026_Ishibuki15
   佐々木氏による説明        参加者も石葺きに挑戦
  R071026_Ishibuki16R071026_Ishibuki17R071026_Ishibuki21
      さらに小学生も石葺きにトライ! みごとに葺けました。
石のコースター製作
  R071026_Ishibuki37R071026_Ishibuki35
  佐々木氏にデモンストレーションで作ってもらう。作業が手早い!
  R071026_Ishibuki39R071026_Ishibuki27
  参加者全員でコースターづくりをする。石葺き職人になれるぐらい何枚も作成している参加者がいた。
  R071026_Ishibuki33
  佐々木氏にかかるとハートマークもカッターで簡単に作成してしまう。
  R071026_Ishibuki22R071026_Ishibuki23
  子供達も上手にスレートでカッターを用いて何枚も加工して家族分のコースターを製作していた。
  R071026_Ishibuki38
  スタッフの記念撮影
飛騨支部 広報渉外委員S.D